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第2回 機械学習

機械学習

AI入門2回目です。前回は注目されているAIの歴史を振り返りました。各時代にブームがあり、現在は第三次ブームということが分かりました。そして各ブームで多くの技術が発展してきました。これから各技術について説明したいと思いますが、今回はその技術の大まかな分類について話します。

現在のAIの基本になっている技術は「機械学習(Machine Learning)」というものです。ここでの機械とはメカというより、コンピュータのことを言っています。つまり機械学習とはコンピュータが学習する方法と考えてもいいかもしれません。コンピュータが大量のデータを使って何かを学習するイメージです。では、コンピュータはどのような方法で学習して賢くなっていくのでしょうか?

「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」コンピュータの学習方法はこの3つに分けられます。

◎教師あり学習
教師あり学習は、学校の授業のようなイメージです。たとえば写真に「いぬ」が写っているかどうかを調べるAIを考えたとします。写真に「いぬ」が写っていれば○、写っていなければ×のように、大量の写真をAIに渡して○×を教えていきます。写真1は○、写真2は×、・・・といった感じで、何千枚、何万枚と教えていきます。そうするとAIは写真に含まれているデータをもとに「いぬ」が写っている、写っていない、という特徴をデータから見つけてきます。ある程度学習させたら、写真に「いぬ」が写っているかどうかを判断できるAIが完成します。もちろん今まで教わった写真を基にしていますので、写真のデータに「いぬ」っぽい特徴があれば間違えることもあります。

教師あり学習

◎教師なし学習
教師なし学習は、独学で勉強するようなイメージです。コンピュータはインターネットにつながっているので、「いぬ」についての情報を集めることができます。ただ、AIはこの写真に「いぬ」が写っている、写っていない、という正解を教えてもらえないので、こんな感じの写真には「いぬ」が写っているだろう、と曖昧な判断で学習するので、判断基準が完成するまでに時間がかかります。

◎強化学習
強化学習は、運動部の特訓のようなイメージです。「いぬ」にはこんな特徴がありますよ、と教えてもらっているけれども、これは「いぬ」ですかと聞いても、30%ぐらい正解!と、はっきりした答えを教えてくれません。つまり写真に写っている、写っていないではなく、何を基準にして「いぬ」と判断したかを評価してくれるのです。AIは良い評価の基準はどこにあるのだろう?と探りながら、評価が最高になるような基準を求めて学習していきます。

今回は機械学習の分類について大まかに話をしました。やっていることは人間と同じですね。先生に教えてもらったり、自分で勉強したり、特訓を受けたり。
機械学習についてなんとなくイメージできましたか?


「YSeye13号」掲載